パスワード管理ソフト「Bitwarden」を使っていて、以下のような不満を感じたことはありませんか。
「使用する度にロックされて、マスターパスワードを毎回入力するのが面倒」
「パスワードの入力の手間を減らすために、Bitwardenを使い始めたのに結局手間がかかっている」
確かにセキュリティを確保するために、ロックをかけるようにして、使う度にパスワードを入力するのは手間がかかります。
私も昔は同じ悩みを抱えていましたが、セキュリティを保ちながらその問題を解消する設定方法があります。
それは、PINコードもしくは生体認証を使ったロック解除への設定変更です。
この記事では、その設定方法について詳しく解説します。
これにより、面倒なパスワード入力を減らしつつ、安全性を維持できます。
また、この記事を読む前に、Bitwardenについて詳しく知りたい方は、以前に作成した記事も参考にしてください。
目次
PINコード・生体認証で簡単ロック解除
Bitwardenでは、セキュリティ確保のために一定時間使用しないと自動的にロックされるようになっています。
このロックを解除する際に、下の画面のようにマスターパスワードの入力が必要になります。
安全面を考えると確かに必要なことなのですが、頻繁に使用する場合には少々面倒に感じることもあると思います。
そこでオススメしたい設定が、PINコードや生体認証によるロック解除の設定です。
この設定に変更することで、マスターパスワードを代わりとなる短いPINコードに置き換えたり、もしくは指紋認証や顔認証などの生体認証で簡単にロックを解除できるようになります。
これにより、安全性を損なわず、ロック解除の手間を大幅に軽減することができます。
次章から設定変更の方法について、詳細に説明していきます。
ブラウザのアドオン版の設定方法
まずは、ブラウザのアドオン版での設定方法から説明します。
1.Bitwardenを開き、右下の「設定」アイコンをクリックしてください。
2.設定画面の少し下あたりにある「セキュリティ」欄の中に、「PINでロック解除」と「生体認証でロック解除」のオプションがあります。ここにチェックを入れるだけです。
PINコードの場合は、好きな英数字・記号などで設定して「OK」をクリックします。
入力の手間を減らすために、文字数はなるべく短めにするのがオススメです。
ロック解除時はここで設定したPINコードの入力が求められますが、ブラウザを再起動したときはマスターパスワードのほうの入力が求められてしまいます。
ブラウザを再起動したときもPINコードで解除したい場合は、「ブラウザー再起動時にマスターパスワードでロック」のチェックを外して「OK」をクリックしましょう。
生体認証の場合は、端末の指紋認証や顔認証を利用して設定を完了します。
ただし、生体認証を利用する場合は以下の制限があります。
- デスクトップ版のアプリのインストールが別途必要
- さらにデスクトップ版のアプリで生体認証の設定が必要
- 使用している端末で生体認証が利用できること
これらの設定を行うことで、ロック解除時にマスターパスワードの代わりに、PINコードもしくは生体認証を求められるようになります。
スマートフォンのアプリ版の設定方法
次にスマートフォンのアプリ版での設定方法です。
1.Bitwardenのアプリを開き、右下の「設定」アイコンをタップします。(iPhone版も同じです)
2.「アカウントのセキュリティ」をタップします。
3.「生体認証でロック解除」と「PINコードでロック解除」のチェックがありますので、好きなほうにチェックをつけて設定を変更してください。
スマートフォンに生体認証の機能があれば、「生体認証でロック解除」のほうが簡単でオススメです。
なお、iPhone版では「生体認証」のところが「Face IDでロック解除」または「Touch IDでロック解除」になっています。
リスクが高まるNGな設定方法
Bitwardenのロック解除の手間を減らす方法として、以下の手段はオススメしません。
- マスターパスワードを極端に短くする
- ロック機能を無効化する
これらの方法は、Bitwardenへの不正アクセスのリスクを高め、保存したパスワードや重要な情報の漏洩につながりかねません。
NG設定1 マスターパスワードを極端に短くする
マスターパスワードの入力が面倒だからといって、あまりに短く設定するのはオススメできません。
短くて単純なパスワードは、解読されるリスクが高くなるためです。
では、今回紹介したPINコードも同様に長くするべきかというと、実はそうではありません。
なぜならBitwardenでは、PINコードを5回間違えると、自動的にログアウトするようになっているからです。
ログアウトすると、PINコードではなくマスターパスワードが必要になるため、PINコードで何度もログインを試みることはできません。
この機能のおかげで、PINコードは比較的短くしても大丈夫なようになっています。
さすがに1桁や2桁ではPINコードを当てられる可能性がありますので、銀行やクレジットカードの暗証番号と同じ4桁くらいあれば安心です。
また、PINコードのロック解除の設定は、設定したその端末でのみ有効になりますので、別の端末から同一のPINコードを使ってログインされることもありません。
入力の手間を減らすためにパスワードを短くしたい場合は、「PINコードのロック解除」を活用しましょう。
NG設定2 ロックしない設定にする
Bitwardenのロック機能をオフにするという方法も、オススメできません。
確かに、ロックしない設定にすれば、ロック解除の手間は省けます。
しかし、万が一Bitwardenをインストールした端末が盗難や紛失した場合に、その端末を利用して簡単にBitwardenにログインされてしまう危険性があります。
Bitwardenの利用では、このようなリスクを避けるため、ロック機能の無効化は推奨しません。
まとめ:ロック解除の設定を変更して、より使いやすくしよう
今回の記事では、ロック解除のたびにマスターパスワード入力の手間を減らす方法について解説しました。
ロック解除の方法を、PINコードや生体認証によるロック解除に変更することは、安全性を損なうことなく使い勝手を向上させる最適な方法です。
一方で、マスターパスワードを短くする、またはロック機能をオフにする方法は、セキュリティリスクが高くなるためオススメできません。
Bitwardenは、パスワード管理を簡単にし、デジタルライフをより効率化できる素晴らしいソフトです。
もしまだパスワード管理ソフトを使っていない方は、この機会にBitwardenを使ってみてはいかがでしょうか。
また、以前の記事ではBitwardenの基本機能などについて詳しく紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください。
安全かつ効率的なパスワード管理で、デジタルライフをより豊かにしましょう。